家の中で蜘蛛を見かけることは珍しくありませんが、どの種類が害をもたらすのか、どの種類が害虫を駆除する益虫なのかを知っておくことは大切です。蜘蛛は基本的に人に危害を加えることは少なく、多くの種類が家の中に発生する小さな害虫を捕食してくれる存在です。ここでは、家の中でよく見かける蜘蛛の種類とその特徴について解説します。 アダンソンハエトリは、日本の家庭で最も一般的に見られる蜘蛛の一種です。体長は5〜8mmほどで、黒っぽい体に白い斑点があるのが特徴です。巣を作らずに家の中を活発に動き回り、小さな害虫を捕食します。特にハエや蚊などを素早く捕まえるため、家の害虫対策として役立つ益虫です。人に噛みつくことはなく、攻撃性もないため、見かけても駆除する必要はありません。 アシダカグモは体長10cmを超えることもある大型の蜘蛛で、その見た目のインパクトから苦手な人も多いでしょう。しかし、この蜘蛛は「ゴキブリハンター」として知られ、家の中のゴキブリを捕食してくれる非常に頼もしい存在です。巣を作らずに家の中を歩き回りながら狩りをするため、夜になると活動的になります。人には無害で、むしろ害虫駆除の面で役立つため、無理に駆除しないほうが良いケースもあります。 ジョロウグモは屋外でよく見かける蜘蛛で、黄色と黒の縞模様を持ち、大きな円形の巣を張るのが特徴です。庭やベランダ、玄関の近くに巣を作ることが多く、ハエや蛾、蚊などを捕食します。人に対して攻撃することはほとんどなく、刺されることも稀です。ただし、巣が邪魔になる場合は、こまめに取り除くことで、家の周りに定着するのを防ぐことができます。 セアカゴケグモは外来種として日本の一部地域に定着しており、体長1cmほどで黒い体に赤い模様があるのが特徴です。攻撃性は低いものの、咬まれると強い痛みや腫れが生じるため、注意が必要です。特にベランダや室外機の裏、庭の隅などに巣を作ることがあるため、見つけた場合は手で触れずに駆除するようにしましょう。 家の中にいる蜘蛛のほとんどは無害であり、害虫を捕食することで環境を整えてくれる益虫です。しかし、蜘蛛が苦手な場合や巣を作られるのが気になる場合は、部屋を清潔に保ち、害虫が発生しないようにすることが重要です。蜘蛛の種類を理解し、正しく対処することで、快適な生活を維持することができます。