家の中でふとした瞬間に蜘蛛を見かけることがあります。蜘蛛は苦手な人も多いですが、実は害虫を捕食する益虫としての役割を持つ種類も多く、無闇に駆除する必要がないケースもあります。今回は、家の中でよく見かける蜘蛛の種類と、それぞれの特徴について詳しく解説します。家の中に現れる蜘蛛の中でも特に代表的なのが「アダンソンハエトリ」です。この蜘蛛は体長が5～8mmほどで、全体的に黒っぽい体色をしており、目が大きいのが特徴です。家の壁や天井をすばやく移動し、主にハエや小さな虫を捕まえて食べるため、害虫駆除に貢献してくれる益虫です。巣を作らずに活動するため、部屋の隅や窓際で見かけることが多く、人間に危害を加えることはありません。もう一つよく見られるのが「アシダカグモ」です。体長は大きいもので10cm以上になることもあり、その見た目から苦手意識を持つ人も少なくありません。しかし、アシダカグモはゴキブリを捕食することで知られ、「ゴキブリハンター」とも呼ばれています。家の中で見かけることがあっても、基本的には人に害を与えず、むしろゴキブリを駆除してくれるため、見つけたらそのまま放置するのも一つの手です。「ジョロウグモ」も家の周りで見かけることがある蜘蛛の一種です。黄色と黒の縞模様が特徴的で、大きな網を張る習性があります。通常は屋外に生息しており、家の軒先や庭に巣を作ることが多いですが、時折、室内に入り込むこともあります。ジョロウグモは毒を持っていますが、人に対して積極的に攻撃することはなく、刺されることはほとんどありません。また、「セアカゴケグモ」のような毒を持つ外来種も一部の地域で見かけることがあります。セアカゴケグモは体長が約1cmで、黒い体に赤い模様があるのが特徴です。攻撃性は低いものの、刺されると痛みや腫れを伴うことがあるため、見つけた場合は駆除することが推奨されます。家の中で見かける蜘蛛の多くは益虫であり、害虫駆除に役立つ存在です。もし蜘蛛を見つけた場合、その種類を見極め、安全なものであれば無理に駆除せずに共存するのも選択肢の一つです。