害虫
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蜂を刺激するやってはいけない追い払い方
蜂が近くに飛んできた時、私たちの本能的な反応は、時として事態を最悪の方向へと導いてしまいます。良かれと思って取った行動が、蜂の攻撃性を最大限に引き出してしまうことがあるのです。安全のために、絶対に避けるべきNGな追い払い方を具体的に知っておきましょう。最もやってはいけない行動の筆頭は、「手で払いのける」ことです。目の前を飛ぶ蜂を、まるで蚊を追い払うかのように手でパッと払う。この素早い動きは、蜂にとって明確な攻撃の合図と受け取られます。驚いた蜂は、即座に防御態勢に入り、毒針で反撃してくる可能性が非常に高くなります。同様に、「大声を出す、悲鳴を上げる」ことも危険です。大きな音や振動は蜂を極度に興奮させます。一匹を刺激した結果、近くに巣があれば、仲間を呼び寄せて集団攻撃を誘発する引き金にもなりかねません。また、焦って「その場で走り出す」のも悪手です。特に蜂に向かって背中を見せて逃げると、追いかける習性のあるスズメバチなどは、執拗に追跡してくることがあります。逃げる際は、静かに、姿勢を低くして後ずさりするのが鉄則です。市販の殺虫スプレーを武器にしようと考える人もいるかもしれませんが、これも注意が必要です。中途半端にスプレーをかけると、苦しんだ蜂が最後の力を振り絞って攻撃してくることがあります。また、相手がスズメバチのような強力な蜂の場合、一般的な殺虫剤では効果が薄いこともあります。これらの行動は全て、蜂という生き物の習性を無視した人間本位の反応です。彼らを追い払おうと焦るのではなく、まずは刺激を与えないこと。そして、彼らが自然に立ち去るのを待つか、こちらが静かにその場を離れるのが、最も安全で確実な方法なのです。