ゴミ屋敷
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隣のゴミ屋敷が私の心身を蝕むストレス源に
私たちがこの静かな住宅街に家を建てたのは、穏やかな生活を夢見てのことでした。しかし、その夢は隣家の変化と共に、少しずつ悪夢へと変わっていきました。最初は、庭の雑草が伸びてきたな、という程度でした。しかし、いつしか庭には壊れた家電や古タイヤが積まれ始め、玄関先にはゴミ袋がいくつも放置されるようになりました。窓は内側から何かで塞がれ、家全体が不気味な沈黙に包まれていきました。いわゆる「ゴミ屋敷」の完成です。私たちのストレスに満ちた日々は、そこから始まりました。夏場になると、窓を開けることができません。生ゴミが腐敗したような強烈な悪臭が、風に乗って家の中まで流れ込んでくるからです。洗濯物を外に干すことさえ躊躇われます。そして、害虫の問題。隣家から発生したと思われるゴキブリやハエが、我が家の敷地内でも頻繁に見られるようになりました。何より恐ろしいのは、火災の危険性です。積み上げられた可燃物の山を思うと、夜も安心して眠ることができません。行政にも何度も相談しました。しかし、個人の財産であるため、すぐには強制的な対応はできないという回答が繰り返されるばかり。住人に直接話をしようにも、全く応じてもらえず、途方に暮れる日々が続きました。目に見える被害だけではありません。常に隣家のことを考えてしまう精神的なストレスは、私の心身を確実に蝕んでいきました。いつ解決するかわからない不安と、何もできない無力感。平穏だったはずの我が家が、もはや安らぎの場所ではなくなってしまったのです。ゴミ屋敷問題は、決してその家だけの問題ではありません。それは、周囲の住民の生活と心を破壊する、深刻な環境問題であり、ストレスの発生源なのだと、私たちは今、身をもって痛感しています。